衝撃だった、北海道の「あたたかい家」

家づくりという言葉を聞くと、ふと思い出す出来事があります。

私の実家は北海道です。

雪が積もるのが当たり前で、冬は長いし、朝起きたらまず雪かき、なんてことも珍しくありません。

だから子どもの頃の私は、「北海道に住みたい」という気持ちがよく分かりませんでした。

そんなある日、友人のお母さんの妹さんご夫婦が、大阪から北海道へ引っ越してきたんです。

南のほうで暮らしてきたお二人が、「北海道で家を建てるのが夢だった」と聞いて、正直びっくりしました。

え、どうしてわざわざ寒いところへ?

雪かきもあるのに。

そんなことばかり考えていました。

しばらくして、その新しいお家に遊びに行かせてもらうことになりました。

そこで受けた衝撃は、今でも覚えています。

玄関を開けたら、もうリビングだったんです。

北海道の家って、寒さを家の中に入れないために、玄関がひとつの部屋みたいになっていることが多いんですよね。

玄関があって、もう一枚ドアを開けて、それから廊下やリビングへ。

そんな間取りが私の中では「北海道の家」でした。

だから玄関からそのままリビングにつながる開放的な空間を見たときは、本当に驚きました。

「えっ、この造りで寒くないの?」

それが最初の感想でした。

でも、家の中はぽかぽか。

寒いどころか、とても心地いい空気に包まれていて、不思議な感覚だったのを覚えています。

あれからずいぶん時間が経ちました。

あの頃でもこんな家が建てられたんだから、今はもっと技術が進んでいるんでしょうね。

断熱とか気密とか、そういう難しいことは私はまだよく分かりません。

でも、「北海道でもこんな暮らしができるんだ」という驚きだけは、ずっと心に残っています。

今まで私は、家のことをあまり真剣に考えてきませんでした。

ずっと賃貸暮らし。

家を建てるなんて、なんとなく「お金持ちがすること」だと思っていたんです。

でも50歳になって、自分のこれからを考える時間が少し増えました。

このままずっと家賃を払い続ける人生なのかな。

そんなことを考えるようになったんです。

もちろん、マンションにはマンションの良さがあります。

雪かきをしなくていいし、建物の管理も任せられる。

それは本当に大きな安心です。

でも、ふと計算してみると、東京に引っ越してから払ってきた家賃って、地元の北海道だったら立派な家が建つくらいの金額なんですよね。

そう考えた瞬間、「家を建てる」というものが、少しだけ現実味を帯びてきました。

もちろん簡単な話ではありません。

住む場所も違えば、働き方も違う。

お金のことだって考えなければいけません。

それでも、「私には関係ない世界」と思っていた頃とは、見える景色が少し変わりました。

家づくりって、家を買う話じゃなくて、これからどんな暮らしをしたいかを考える時間なのかもしれませんね。

これから少しずつ。

家のことを知っていく時間も、楽しんでみようと思います。

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